ランニングの際、皆さんは足の裏のどこから着地しているでしょうか?
マラソン初心者の方ですと、だいたいは「かかとから」着地しているのではないかと思います。
しかし、ランニングの着地法は実は3種類あって、それぞれにメリットやデメリットがあるのです。
本日は、私が色々試してみた着地法をご紹介していきたいと思います。
目次
ヒールストライク
まずはヒールストライクですが、これはかかとから着地する方法で、最初は誰もがこの走り方であり、最も一般的な着地法といえます。
私もマラソン初心者の時はかかとから着地していました。
ヒールストライクのメリット
ストライド(歩幅)が大きく、かかとで着地した後、力強くつま先で蹴りだすことができるため、ダイナミックな走りをすることが可能で、大変加速性に優れています。
ヒールストライクのデメリット
着地時に進行方向とは逆の力がかかるため、加速がしやすい反面速度の維持に大きな体力を要します。
また、膝や大腿四頭筋(ふとももの前部)への負担が大きいです。体重の軽いランナーならあまり気にはなりませんが、フルマラソン初心者であれば長時間のレースでは膝への負担が大きくなります。
フォアフットストライク
フォアフットストライクは足裏の前部で着地する走り方です。足指の付け根あたりで着地をします。
ジョギング程度だと、まずこの走り方になることはありませんが、マラソントップアスリートとなるとフォアフットストライクで走る人が多くいます。
マラソンでフォアフットストライクを実践するには練習が必要となります。
フォアフットストライクのメリット
フォアフットストライクは前足部で着地するため、ヒールストライクのように着地時に進行方向と逆の力がかかることはなく、着地からそのまま推進力を生みだすことができます。
従って、高スピードの維持が容易になるというメリットがあります。また、加速もしやすい走り方と言えます。
フォアフットストライクのデメリット
フォアフットストライクのデメリットは、ふくらはぎへの負担が大きいことだと思います。
極端に言えばつま先立ちのように走ることになるため、ふくらはぎの筋肉に負担がかかります。
高速で走る体重の軽いランナーであればレースの時間も短く、ふくらはぎの筋肉にかかる負担も最小限にできるのですが、やはりレース後のダメージは大きいです。
マラソン初心者の方であれば、足の筋肉の中では比較的小さめのふくらはぎ筋肉に負担がかかりすぎると、レース中の筋肉痛で最後まで走れなくなるかもしれません。
ミッドフットストライク
最後に紹介するのが、私が経験した中で一番オススメな着地法、ミッドフットストライクです。
ミッドフットストライクは文字通り足裏全体で着地する走り方です。
ミッドフットストライクのメリット
ミッドフットストライクは、足裏全体での着地となるため、着地時に進行方向と逆の力は働かず、これもやはり膝への衝撃が少ない走り方と言え、さらに着地時のブレが少ないため、足首の怪我防止や、走行中の疲労間軽減効果も期待できます。
また、フォアフットストライクとまでは行かないものの、速度の維持が容易という点も挙げられます。
そして、使う筋肉はふくらはぎではなく、主にハムストリングス(太ももの後ろ)から大殿筋(お尻の筋肉)であり、下半身の大きな筋肉を使って走ることができるため、レース中・レース後のダメージを抑えることができるのです。
ミッドフットストライクのデメリット
これと言ってデメリットは思いつきません(自分がオススメする走法の贔屓目もあると思いますが)
強いて挙げればオールラウンダーな着地法なので、ヒールストライクやフォアフットストライク程の加速強化や高速維持ができない点でしょうか。
ミッドフットストライクの練習方法
というわけで、私のオススメはなんと言ってもミッドフットストライクです。
とはいえ、私も元々ミッドフットストライクではなく、ヒールストライクでした。
しかし、サブスリーを目指すに当たり、ミッドフットストライクの習得に励みました。
結果自己ベストは2時間41分22秒まで伸ばすことができました。
まずはフォアフット意識
ミッドフットストライク習得に当たっては、なかなか足裏全体で着地するという感覚が掴めませんでした。
しかし、前足部で着地するという感覚は、つま先走りのような感じで掴みやすかったため、まずはフォアフットを意識して走る練習をして、徐々に重心を前から真ん中に持ってくるように練習しました。
ボトルポーチを使う
ミッドフットストライクにおいては、姿勢が結構大事です。腰が引けている走り方ではミッドフットストライク完成は困難です。
私も腰が引けている走り方だったため、これを矯正する方法を考えました。
それが、ボトルポーチを使う方法です。ボトルポーチとは、ランニング中の給水のため腰に巻いてペットボトル等を収納できるポーチのことです。
ボトルポーチには様々なタイプがありますが、ボトルを横向きに収納できるタイプのものを使います。ボトルは空でも構いません。
ランニング時に、ボトルを挿入したポーチを腰に巻きお尻と背中でボトルを挟むように意識して走ります。
こうすることで腰が前に出て、良い姿勢を作ることができ、ミッドフットストライク習得に寄与しました。
まとめ(レース中のミッドフットストライク)
さて、オススメの着地法、ミッドフットストライクを紹介してきましたが、最後にレース中の私の走行法について説明してみたいと思います。
前述の通り、ミッドフットストライクは理想的な走り方ではありますが、私は何度かレースでこの走法を試した結果、ミッドフットストライクだけではなくヒールストライク・フォアフットストライクも併せてレースに臨むのが良いとの結論に達しました。
具体的には、以下の通りです。
①序盤はフォアフットストライクで走る。
⇒速度に乗りやすいため、体力の多い序盤に最適
②中盤から終盤にかけてはミッドフットストライクで走る。
⇒速度に乗った後は体力・速度維持のため最適
③ラストスパートはヒールストライクで走る
⇒速度が低下しやすい終盤で加速できるので最適
いかがでしたでしょうか?
今まではジョギングしかしていなかったけど、マラソン大会に挑戦してみたいなど、これからレースにチャレンジするという方の参考になればと思います。